「副腎疲労」という言葉
先日ある患者様から「面白いから読んでください」と一冊の本をいただきました。 川崎のスクエアクリニックをご夫婦で開業されている本間良子・龍介先生の著書「自分で治す!副腎疲労」という本でした。 副腎疲労とは聞きなれない言葉ですが、私は「副腎疲労」と聞き、心に響くものがありました。
米国では常識とされる「副腎疲労」のケア
著者の本間良子先生のご主人であり共著者の本間龍介先生が中学時代から副腎疲労に悩み医療を志してからも状態が好転する事もなく、絶望の淵にいる時に副腎疲労の第一人者ジェームズ・L・ウイルソン博士に出会い副腎疲労の治療を知る事となります。当時日本では医療の専門家の本間両先生も知りえなかった「副腎疲労」という概念は医療先進国アメリカでは常識となっていたのです。
様々なストレスに晒される現代は「副腎疲労」になり易い
そもそも副腎疲労とはどんな状態をいうのでしょう? 「副腎疲労」という状態をかいつまんで言うと人は精神的、肉体的ストレスを感じると体内で「炎症」が起こります。炎症が起こると副腎から「コルチゾール」というホルモンが分泌され炎症を抑えます。 ただあまりにストレスが多く、炎症が頻繁に起き、副腎がコルチゾールを分泌しすぎて疲弊した状態を「副腎疲労」といいます。コルチゾールの分泌量は人それぞれで多い人少ない人がおり、適正な分泌量は違います。ただストレスを受け「副腎疲労」を起こせば身体には様々な悪影響が起きます。
副腎疲労の悪影響は多岐にわたる
1. うつ症状、疲労感など精神疾患関連
ストレスを受けるとそれに対抗するコルチゾールが分泌されますが、ホルモン分泌に対してストレス量が上回ると対抗する力が無くなってしまいます。こんな時、活動的な状態であると新たなストレス源に出会ってしまう事がありストレスを処理できなくなって機能不全、また生命の危険しまします。そういった危険を回避するために、副腎は行動を制限するような信号を発します。つまり副腎は生命活動を守るためにうつ症状などを引き起こすのです。
2. 不眠症
副腎から分泌されるコルチゾールは朝4~6時頃増え始めて8時頃ピークを迎えます。しかし「副腎疲労」の状態になると分泌量が低レベルになりリズムも崩れ、本来必要としない時間に分泌をしてしまい睡眠を阻害してしまうのです。 また「幸せホルモン」セロトニンが不足し、睡眠に導くメラトニンの生成が滞り更に睡眠の質を下げてしまうのです。
3. アレルギー性疾患
アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症などのアレルギー症状を発症し体内で炎症が起きるとコルチゾールが分泌され炎症を抑えます。しかしストレスが多くその対処に追われて「副腎疲労」に陥るとアレルギーで起こる炎症を抑える為のコルチゾールが分泌する余力がありません。 結果アレルギーの炎症は放置されアトピー性皮膚炎の痒みや喘息の発作が悪化してしまうのです。 (参考資料:本間良子・本間龍介先生著 自分で治す!副腎疲労) 骨盤、骨格の矯正が副腎の働きを活発に。副腎疲労デメリットその2 へ続く