腰痛や膝痛で来院される多くの方が、痛みが弱まり症状が改善してくると大抵こういいます。
「先生、良くなってきたので近所をウォーキングしたいんです。」
それまで痛みを我慢して自分のやりたい事や外出を控えていたので当然かもしれません。
誰でも歩ける、でも正しくは歩けない
何か病気や障害、事故などで不幸にも歩くことが出来ない方もおられます。
しかしそういった場合を除きほとんどの方は「歩く」ことは可能です。
しかしスポーツとしてウォーキングをしている方はご存じだと思いますが、歩くのにも
「フォーム」があるのです。
日常の生活の手段、歩行、ウォーキング
散歩やウォーキングは確かに手ごろな有酸素運動として誰もができるイメージがあり、多くの人は通勤、通学など「歩く」ことは生活の一部となっています。
その為「誰もが出来る」動きなので、スポーツとしてのハードルはとても低く、簡単だと思われがちです。
それ故に歩くことを学ぶ、練習するという方は他のスポーツに比べ圧倒的に少ないのです。
様々なメソッドがありその長所、短所を理解しよう
ウォーキングには様々な理論、メソッドがありスポーツとして脂肪を燃やして歩く、異性から魅力的に見えるように歩く、身体に負担が少なく効率よく歩く、など目的も多岐にわたります。
痛みがあり歩くのが辛い方が多く訪れる当院では「身体に負担が少なく効率よく歩く」ことが大切だと考えます。
歩くときに気を付けたい4つのポイント
ポイント1. 最初の一歩は前に出すのではなく後ろへ地面を蹴る。
「歩く」というのは四肢を使って前方へ移動するという事。
身体を前に進めるためには地面を蹴って反発力で進めるわけです。歩幅は欲張らずに楽に歩きやすい程度で。
ポイント2. 肘は後ろへ
脚は身体を進める為に地面を「後ろに蹴る」のですから腕も同じです。肘を軽く後ろへ引く程度で充分です。
ポイント3. 足先は内側でも外側でもなく真っ直ぐ前方へ
足幅は肩幅内で一足分くらいを空ける。
足跡のイメージとしては電車のレールの上を移動するように。よく「カカトから着きなさい」と言いますが、着地では無く「接地」するように優しく。
ポイント4. 視線は今までより10メートル先
歩きが不安定な方に多いのが、「視線が近い」ことです。
視線が近いと重い頭部が下がりバランスが悪くなります。しかも手前しか見えないため進行方向のさきの情報が乏しく、転倒や衝突などのリスクが高まります。
今挙げた4つのポイントはある程度体力があり歩行するのに痛みなど伴わない方にお勧めしたい方法です。今までより少ない力でも効率よく歩けると思います。
今現在歩くと痛い、痛みが出そうだ、と不安な方は更にリスクの少ない、自転車歩きという方法があります。
ぜひ参考にしてみてください。