ぎっくり腰の主なメカニズムとして腰椎部や骨盤の仙腸関節の捻挫、腰部筋肉の損傷がありますが
今回はその内、仙腸関節痛について取り上げます。
ぎっくり腰にならないためには普段の生活で、何気なくやっている様々な習慣が根本原因になっており、事前の予防・対策を考える上でとても大切です。
骨盤は大きく3つの骨で形成される
骨盤をつなぐ関節
我々人間は二足歩行で生活する稀有な生物です。
二足歩行する際、要となるのが「骨盤」です。
骨盤は大きく分けて3つの骨から形成されます。真ん中にある仙骨。両側に腸骨。この3つの骨をつなぐ部位を「仙腸関節」と言います。
ほぼ垂直面で仙骨と腸骨をつなぐ面積はわずか15㎠、この狭い面積で二足歩行をする体重を支えています。
可動域は小さい
仙腸関節は関節と言っても肩関節や股関節の様に広い可動域を持っておらず、レントゲンのような画像検査でもほとんどわからない程度、3~5mmしか動かきません。
体重を支えているのであまり動いては都合がよくないのです。
男性より女性の方が可動域が大きく、ズレやすい
仙腸関節は男性より女性の方が可動域が広く、生理や出産では大きく開くこともあります。
仙腸関節の可動性が大きく生理的な原因が多い女性に「ズレ」は起こりやすく、仙腸関節のズレが周りの神経を刺激し痛みを感じさせるのです。
骨格の歪みが仙腸関節により負担をかける
二足歩行をしているだけで体重を支える仙腸関節身には大きな負担がかかっていますが、さらに骨格、骨盤の歪みは仙腸関節に悪影響を与えます。
骨盤の左右どちらかが押し上がると、高い側の股関節は歩行の度、下からの強い突き上げを受け仙腸関節がズレてしまうことがあるのです。
仙腸関節のズレを生む習慣・動作
1つ 足組み
足を組むと組んだ側の骨盤が押し上げられ、歩行などで仙腸関節をズレ易くしてしまいます。仕事中や寛いでる時についついやってしまいがちですが気を付けましょう。
2つ 胡坐(あぐら)
胡坐も実は骨盤の左右差を生む悪習慣なのです。
「左右対称だから良いでしょう?」と聞かれることもありますが、胡坐は左右対称ではありません!(笑) 非対称なだけではなく股関節を大きく開くことで、仙腸関節に大きな負担をかけてしまいます。
3つ 開脚
腰痛の方が陥りやすい間違い「ストレッチ」などにみられる開脚です。
そもそも可動性が小さい=安定性がある 可動性が大きい=不安定である、という事です。
股関節を大きく開くことで仙腸関節がズレ易くなり、過剰な柔軟性は関節を不安定にします。
仙腸関節痛が心配な方は開脚動作には慎重になってください。 仙腸関節のズレは生理的な要因もあり女性の方が起こりやすいといえます。
しかしガッチリかみ合いズレにくい男性の場合、1度ズレてしまうとむしろ女性より長引き、重症化してしまうケースが少なくありません。
上に挙げた3つの習慣、動作に注意して痛みの少ない生活を心がけましょう。