骨格のベースを作るトレーニング
赤ちゃんの時するハイハイ、実はとっても大事なんです。
お母さんから生まれて赤ちゃん最初は寝て、しばらくすると首がすわって、お座りが出来てずり這をして、ハイハイ。
その後つかまり立ち、伝い歩き、二本足で歩く。こんな具合でしょうか?
この「ハイハイ」をすると骨格、筋肉の形成や脳機能、運動神経の成長を促進する事が分かってきています。
理由その1 股関節の形成
赤ちゃんがハイハイをすると股関節の形成に役立ちます。
股関節は大腿骨の先、丸くなっている大腿骨頭を骨盤の臼のような形状の寛骨臼が包み込んで支えています。
赤ちゃんの時、ハイハイをするとこの寛骨臼の形成を促すのです。
ハイハイが少ないと股関節の「受け」の部分が浅いまま成長して,股関節に痛みが出たりと,トラブルの原因になります。
大人になって階段を昇るときに、足の付け根が痛くなったり、股関節の柔軟性が無かったりという人は、ハイハイが足りなかったのかもしれません。
理由その2 生理的曲線の形成
人間にの背中は緩やかなS字カーブを描いておりこれを生理的曲線と呼びます。
このカーブがスプリングの様に歩いた時の衝撃を吸収して頭部(脳)を守っています。
ハイハイをすることでこの生理的曲線の発達を促します。
ハイハイが足りずに成長した場合、生理的曲線が少なく平坦な背中「フラットバック」カーブの少ない首「ストレートネック」になりやすくなってしまいます。
生理的曲線が少ないと、肩こりや首こり、そこから派生する頭痛の大元の原因になります。
理由その3 筋肉のベースを作る
四つ這いでハイハイをすると全身の筋肉、特に上半身の筋肉の発達を促進します。
筋肉のベースがこの頃作られるので、大人になりトレーニングをしても、ある程度までしか筋肉が付かな無くなってしまいます。
そんな人はハイハイが足りなかったのかもしれません。
患者様にも華奢な方が多く「トレーニングしても筋肉がつかないんです」と悩む方も多いです。
上半身の筋肉が弱いことで、姿勢を保ちにくく、首こり、肩こりを起こしやすい体質にもなってしまいます。
理由その4 О脚予防になる
ハイハイをあまりせず、筋力が不足したまま早めに立ち上がってしまうと、О脚の原因になります。
筋力が不足でバランスが悪く、太腿の外側の筋力に頼り気味になり骨そのものが曲がって成長してしまう恐れがあるのです。
また、生理的曲線が少ない為、骨盤が後傾気味になり、これもO脚の原因です。
他にもこんなに大切なことが
骨格の成長に非常に大切なことは勿論、ハイハイは脳、運動神経、三半規管の発達にも重要な役割があるのです。 ハイハイをするとお座りをした時とは視界大きく変化します。
下を見れば床がありハイハイで進んでいけば風景がどんどん変わっていき,その情報を一生懸命脳は処理していきます。
また何か拾えば、片手で体を支え物をつまむ動作をし、手や指先の絶好のトレーニングになります。
ハイハイをしていると頭が上下左右に振られ、バランスを保つセンサーの役目をする三半規管が鍛えられます。
最近、転んでもパッと手が出ずに顔を怪我したり、骨折したりする子供が問題になっています。
運動神経、反射神経の発達が未熟で、こうした事故は起きますが、ハイハイをしていた期間が短かったことも関係しているのではないでしょうか。