冬に整体院で多発する症状ランキング1〜5位
― 原因・病態を「体の中で何が起きているか」で解説 ―
はじめに|冬の体は「縮こまり、巡らず、誤作動する」
冬は単なる寒い季節じゃない。
体にとっては、
-
冷えによる収縮
-
血流低下
-
自律神経の緊張優位
-
運動量の激減
が同時に起こる、不調の量産期だ。
整体院に来る症状は違って見えても、
根っこはほぼ同じ。
「動かない・冷える・巡らない」
この前提を頭に置いたまま、1位から見ていこう!
第1位:腰痛(ぎっくり腰を含む)
● なぜ冬に腰痛が爆増するのか?
腰は「体の要(かなめ)」であり、
冷えと負担の影響を最も受けやすい場所。
冬の腰で起きていることは、シンプルに言うと
-
筋肉・筋膜が冷えて縮む
-
血流が落ちて回復しない
-
動かないことで柔軟性を失う
これが重なる。
● 病態の正体(ぎっくり腰含む)
ぎっくり腰は
「突然起きた事故」じゃない。
実際は、
-
冷えで筋肉が短縮
-
関節の遊びが消える
-
筋膜が滑らなくなる
-
ある日、限界を超えた動作で破綻
という積み重ねの結果。
特に冬は
-
朝一番
-
トイレ
-
靴下を履く
-
前かがみ
この「一動作目」が危険。
● 対策の方向性(考え方)
冬の腰痛対策は
「強くする」より「緩めて巡らせる」。
-
いきなり鍛えない
-
朝は動く前に温める
-
腰だけ見ない(股関節・背中・足首)
腰は全身の結果だから。
第2位:肩こり・首こり・肩痛
● 冬の肩は「防御姿勢」になっている
寒いと人は無意識に、
-
肩をすくめる
-
首をすぼめる
-
胸を閉じる
これ、全部防御反応。
問題は、
その姿勢が1日中続くこと。
● 病態の正体
冬の肩こりは、単なる筋疲労じゃない。
-
僧帽筋・肩甲挙筋の持続収縮
-
肋骨が動かず呼吸が浅くなる
-
首〜肩の血流が滞る
-
神経が過敏化する
結果、
-
重だるさ
-
頭痛
-
目の奥の痛み
-
吐き気
まで波及する。
● 対策の方向性
肩こり=肩を揉む
これは冬には逆効果なことも多い。
大事なのは
-
呼吸を取り戻す
-
胸郭(肋骨)を動かす
-
肩甲骨を「下げて」使える体に戻す
肩は、呼吸の影響を強く受ける。
第3位:膝痛(変形性膝関節症・違和感)
● 冬の膝は「潤滑不良」
膝は構造上、
-
血流が少ない
-
冷えやすい
-
動かさないと固まる
という弱点を持つ。
冬になると、
-
関節内の循環が落ちる
-
滑液の流れが悪くなる
-
筋肉が硬くなり衝撃を逃せない
これで痛みが出る。
● 病態の正体
「軟骨がすり減ってるから痛い」
これは半分正解、半分間違い。
実際には
-
太もも・お尻の筋出力低下
-
膝がねじれたまま使われる
-
関節に偏った圧がかかる
これが冬に悪化する。
● 対策の方向性
膝だけを温めても足りない。
-
股関節
-
足首
-
骨盤
上下の関節を一緒に動かすことが重要。
膝は「被害者」であることが多い。
第4位:自律神経の乱れ(不定愁訴)
● 冬は「交感神経優位」になりやすい
寒さは体にとってストレス。
-
交感神経が優位
-
血管が収縮
-
内臓の動きが落ちる
これが慢性化すると、
-
眠れない
-
疲れが抜けない
-
不安感
-
胃腸トラブル
と、原因不明の不調になる。
● 病態の正体
自律神経の乱れは
神経の問題というより、環境と体のミスマッチ。
-
呼吸が浅い
-
背骨が硬い
-
内臓が下がる
-
頭が休まらない
これが連鎖している。
第5位:手首・肘・前腕の痛み(腱鞘炎系)
● 冬は「末端」が最初にやられる
冷えは体の中心を守るため、
末端から切り捨てる。
結果、
-
指先が冷える
-
前腕の血流が落ちる
-
筋肉が硬くなる
ここに、
-
スマホ
-
PC
-
家事
が加わると、アウト。
● 病態の正体
腱鞘炎は
「使いすぎ」だけじゃない。
-
滑走不良
-
血流不足
-
神経の過敏
この3点セット。
前腕の緊張は、
肩・首・背中に必ず波及する。
前編まとめ
冬の症状はバラバラに見えて、
-
冷え
-
血流低下
-
動かない
-
呼吸が浅い
この共通因子でつながっている。
症状を見る前に、季節を見る。
これが冬の整体の基本。
次の【後編】では
-
各症状ごとの具体的な対策
-
自宅でできるセルフケア
-
冬に「やってはいけない習慣」
-
整体の立ち位置と限界
冬に整体院で多発する症状ランキング1〜5位
― 具体的な対策・セルフケア・やってはいけない習慣 ―
はじめに|冬の体は「治す」より「壊さない」が勝ち
冬は、
頑張るほど壊れやすい季節。
-
無理なストレッチ
-
急な筋トレ
-
気合いで乗り切る生活
これは冬の体には逆効果になることが多い。
第1位:腰痛(ぎっくり腰含む)対策
● 冬の腰痛対策の核心
キーワードは
「動く前に温める」
「腰だけを見ない」
これに尽きる。
● 日常でやるべきこと
-
朝起きてすぐ動かない
-
トイレ前に軽く腰・お腹を温める
-
靴下・ズボンは座って履く
-
立ち上がる前に一度深呼吸
たったこれだけで、
ぎっくり腰の確率は大きく下がる。
● 自宅セルフケア(簡単)
-
お風呂で腰を温める(15分)
-
太もも前・お尻を軽くさする
-
仰向けで膝を立て、左右にゆらす
伸ばさない。ほぐしすぎない。
冬は「揺らす」「温める」が正解。
● やってはいけないこと
-
朝イチの前屈ストレッチ

-
冷えた状態での筋トレ
-
腰だけを揉み続ける
腰は結果であって、原因ではない。
第2位:肩こり・首こり・肩痛 対策
● 冬の肩こりは「呼吸の問題」
肩をどうこうする前に、
呼吸を取り戻すこと。
これが抜けると、何をしても戻る。
● 日常で意識すること
-
肩をすくめたまま作業しない
-
1時間に1回、肩をストンと落とす
-
首を回さず、胸を開く意識
ポイントは
「肩を動かす」より
「肩が下がる環境を作る」。
● 自宅セルフケア
-
両手を肋骨に当てて深呼吸(5回)
-
背中を丸めてから、ゆっくり伸ばす
-
肩甲骨を寄せず、下げるイメージ
ガンガン回す必要はない。
● やってはいけないこと
-
強く揉み続ける
-
首をゴリゴリ鳴らす
-
湿布だけで誤魔化す
冬の肩は防御中。
攻撃すると余計に固まる。
第3位:膝痛 対策
● 膝は「守る」より「使い方を変える」
冬の膝痛は
老化でも、軟骨の問題でもないことが多い。
使い方の偏りが原因。
● 日常でやるべきこと
-
椅子から立つとき、前傾を使う
-
階段は膝だけで上がらない
-
足先を冷やさない
膝は
「太もも・お尻の力」を借りると楽になる。
● 自宅セルフケア
-
椅子に座って膝を伸ばす(軽く)
-
太ももをさすって温める
-
足首を回して血流を上げる
鍛える前に、
動かせる状態に戻す。
● やってはいけないこと
-
痛いのにスクワット
-
膝だけのサポーター依存
-
冷えたままの外出
第4位:自律神経の乱れ 対策
● 冬の自律神経対策は「リズム」
サプリでも、根性でもない。
生活のリズム調整が最優先。
● 日常で意識すること
-
起床時間を固定
-
朝日を浴びる
-
寝る前スマホを減らす
-
湯船に浸かる
これだけで
自律神経は驚くほど落ち着く。
● 自宅セルフケア
-
仰向けで腹式呼吸(3分)
-
首の後ろを温める
-
足裏を床につけて深呼吸
「リラックスしよう」としなくていい。
環境を整えるだけで勝手に整う。
● やってはいけないこと
-
不調を全部メンタルのせいにする
-
無理にポジティブになる
-
眠れない夜に焦る
冬は、調子を落として当たり前。
第5位:手首・肘・前腕の痛み 対策
● 実はここが「全身不調の入口」
前腕が硬い人ほど、
肩も首も腰も治りにくい。
● 日常でやるべきこと
-
スマホを握り続けない
-
手首を冷やさない
-
マウス操作を力まない
「力を抜く」だけで、体は変わる。
● 自宅セルフケア
-
前腕をさする(指先→肘)
-
手を温めてグーパー
-
肘を伸ばしたまま深呼吸
マッサージより循環。
● やってはいけないこと
-
痛いところをピンポイントで攻める
-
湿布だけで終わらせる
-
手首だけを原因にする
手は、体の末端であり、
体の状態を映す鏡。
後編まとめ|冬の体との付き合い方
冬の不調は、
-
年齢のせいでも
-
気合い不足でも
-
運動不足だけでもない
季節と体のミスマッチが原因。
だからこそ、
温める
巡らせる
無理をしない
これだけで、
体はちゃんと応えてくれる。
それでも良くならなければ当院へ。







