「腰や肩が悪いから痛む」のではなく、手指〜前腕の酷使が、結果として腰と肩を壊していく。
なぜ「手・腕」が腰痛や肩こりを生むのか
① 筋膜は一本の線でつながっている
手指・前腕・上腕・肩・背中・腰は、筋膜という一枚の布で連続している。
PC作業で
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マウスを握り続ける
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指を小刻みに動かし続ける
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手首を反らせたまま固定する
これを毎日何時間もやれば、前腕の筋膜が硬く縮む。
すると引っ張られる方向はこうなる。
前腕 → 上腕 → 肩甲骨 → 背骨 → 骨盤 → 腰
腰は「被害者」だ。
② 肩こりは「肩を使いすぎた」結果じゃない
PC作業中、肩は実はほとんど動いていない。
なのに凝るのはなぜか?
答えは単純。
手先を安定させるため、肩がずっと“踏ん張らされている”から。
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細かいマウス操作
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キーボード入力
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クリック精度を保つための無意識の力み
このとき肩は
「動かないのに力を入れ続ける」
という、最悪の働き方をしている。
これで肩が壊れないわけがない。
③ 腰痛は「上半身の過緊張の逃げ場」
腕と肩が固まる
↓
背中が固まる
↓
背骨のしなりが消える
↓
最後に逃げ場として歪むのが腰
特に多いのが
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片手マウス
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体幹を使わず腕だけで作業
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椅子に浅く座る
これ、腰でバランスを取らされている状態だ。
よくある誤解をハッキリ潰す
❌「姿勢が悪いから腰痛」
→ 姿勢は結果。原因は手と腕の過緊張
❌「肩こりは血行が悪いだけ」
→ 筋膜と神経の過負荷
❌「腰が弱いから痛い」
→ 腰は耐えさせられているだけ
現実的な対策
① 手指・前腕を“先に”緩める
肩や腰を揉む前にやるべきはここ。
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指を一本ずつ反らす・握る
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前腕を雑巾絞りのように回旋
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肘から下を揺らす
3分でいい。毎日。② マウス・キーボードの握力を半分に
自覚のない「力み」が一番タチが悪い。
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マウスは「乗せるだけ」
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クリックは“叩かない”
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キーボードは底打ちしない
力を抜いた方が、作業効率は上がる。
③ 肩甲骨を動かす前に「腕をほどく」
肩甲骨体操をやっても効かない人は、順番が逆。
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先に前腕・上腕を緩める
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その後に肩甲骨
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最後に体幹
これだけで
「同じ体操なのに効きが違う」
と感じるはずだ。







